アルザス・ロレーヌ・パリツアー

ロレーヌ地方特産のフルーツ『ミラベル』

丸くて小さな黄色いフルーツ「ミラベル」。日本ではほとんど見かけませんがフランスではポピュラーなフルーツです。特にフランスのロレーヌ地方特産ということで、2011年の夏ロレーヌ地方を巡った写真と共にミラベルについてご紹介したいと思います。


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今年の夏フランスのロレーヌ地方を訪れました。
ロレーヌ地方はフランス北東部に位置する地域です。
アルザス地方の西隣にあたります。

この地域では「ミラベル」という小さなフルーツの栽培が盛んです。
そのミラベルについて深く知りたいと思い、今回「Maison de la Mirabelle」に行ってきました。

ここでは、ミラベルについての資料やミラベルをつかった製品が揃っています。
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Maison de la Mirabelle入り口近くには、こんな可愛らしい看板が。
ミラベルの実が描かれています。

夏の終わり頃短い期間に出回るフルーツですので、今回はフレッシュのものは見かけなかったのですが、とても小さくて可愛らしいフルーツです。
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まずはマダムにミラベルについての概要を伺いました。

元々ミラベルはは11~12世紀中近東から伝わり、ロレーヌの地に広まったそうです。
フランスロレーヌ地方はミラベルの生産高が世界1位で、70%のシェアをしめます。


ミラベルにもAOC(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)があります。
AOCは、フランスでチーズやワインなど農業製品に対する品質を保証するもので、特定の条件を満たす必要があります。

ミラベルの場合それらの条件は3つあります。
「直径が22ミリ以上」、「輝くような黄色」、「十分な糖分を含むこと」です。


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簡単なミラベルの説明を受けた後、モニターを通してミラベルの栽培の様子をみることができました。

ミラベルの木は、パッと見桜の木に似ているようにかんじました。
春は白い花を咲かせます。
きっとそれは美しい光景なのでしょうね。

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花が散り、実が成熟したら、専用の機器で木を揺さぶりながら実を振り落とします。少々強引な感じもしますが、思っている以上に落としても大丈夫なくらいミラベルは丈夫なのかもしれませんね。

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施設内にはリキュールを作る部屋もあります。
ミラベルは短い期間しか出回らないため、旬の時期に収穫したものを様々なものに加工します。

その代表激なものがリキュール。
果実を潰し発酵させたものを、蒸留して作ります。

こちらでは、ミラベル以外にポワール(洋なし)やクエッチ(すももの一種)も作っているそうです。

ロレーヌ地方はアルザス同様フルーツの豊富な土地なのですね。

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こちらでは、ミラベルを加工したたくさんの製品が並びます。
ミラベルのリキュール、そのリキュールをつかったババ、ミラベルの花の蜂蜜、ミラベルの香水など。

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こちらはミラベルをつかったお菓子たち。
パート・ド・フリュイやキャラメル、マドレーヌ、ショコラやキャンディーなど小さなお菓子たちがたくさん揃っています。

これだけミラベルのお菓子が集まっているのを見れる場所はなかなかないので、どれも食べてみたい!という衝動にかられました。

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これは、施設内に飾られていたものです。
どうやらミラベル祭りの告知用のポスターのようですね。
1936年8月30日の日に開催されたそうです。
ちょうどミラベルの収穫時期もそのあたりなのでしょう。

フランスではいろんなお祭りがありますが、その土地の名産物や歴史を現代に伝える素敵な祭事ですね。

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Maison de la Mirabelleでは、いろんなお菓子があり迷ったのですが、ミラベルそのものが味わえるパート・ド・フリュイを購入しました。

ミラベルの果汁をたっぷり使った色合いも美しいパート・ド・フリュイで、甘酸っぱくて少し杏にも似たような風味がしてとても美味しかったです。

旬の美味しさを、こうやって加工することでまた違った形で楽しめることは嬉しいですね。


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そしてロレーヌ地方のパティスリーでは定番のミラベルのタルト。
シュクレ生地やブリぜ生地にたっぷりのミラベルとその上にクランブルを重ねて焼いたシンプルなお菓子です。

この時期、まだミラベルの季節ではなかったのでおそらく缶詰か冷凍物を使っているのだと思いますが、タップリと一面にミラベルが詰まった様子を見ると買わずにはおれません。

少し味わいが淡いですが、穏やかな酸味のさっぱりしたタルトです。
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こちらはミラベルのアイスです。
ロレーヌ地方の都市ナンシーのルレ・デセール会員ティエボー氏のパティスリーで食べた一品。

ミラベルのアイスとはなんともロレーヌらしいです。
何度かフランスを訪れていますが、ミラベルのアイスに出会ったのは初めて!

多分ロレーヌ地方にしかないかも?しれませんね。
初々しい甘酸っぱさがあってとても美味しかったです。


今回は初めてロレーヌ地方を訪れて、日本ではなかなか出会うことのないミラベルについて知ることができ、また実際食べることができとても貴重な機会を得ました。

今の時代、いろんな物や情報が日本にいても手に入りますが、やはり実際にその土地に行ってみないと分からない事や、その土地の空気感があります。

何より、その土地で実際食べてみなくては感じ得ないこともあるな。と改めて感じました。

今回より一層身近にな存在になったミラベル。
日本でもたまにお菓子で見かけることがありますので、気づいたらいろいろと食べてみたいと思います。

※本記事は、私が以前@niftyスイーツ部にて掲載していた記事を転載しました。

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アルザス お菓子を巡る旅 ~Panaderiaにて連載スタート~

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パンとお菓子の人気webサイトパナデリアさんで、お菓子の連載を始めさせていただきました。
内容は私の最も大好きなアルザスのお菓子が中心です。

ここ3年、毎年アルザスを訪れてそのたびに素晴らしい風景を感じそしてアルザス特有のお菓子などを食べあるいてきました。滞在時間はそれほど長くないのですが、だからこそ朝から夜までめいいっぱいアルザスを感じるお菓子の旅をしてきました。

以前からこの経験をまとめて本にしたいと思っていたのですが(今でも思っていて準備中)、今回形は違いますがありがたい事にwebで連載をさせていただくことになりました。

アルザスのお菓子を中心に様々なパティスリーやおすすめのお店などを紹介していきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。

「アルザスお菓子を巡る旅」はこちら


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今日は新宿伊勢丹食品フロアのプレスパーティーでした。
新しいショップや各店の新作のお披露目を兼ねた会です。
フランスから来日されたシェフもいらして(エヴァン氏、ブイエ氏、青木さんなど)、たくさんのプレス関係者で賑わっていました。

今回試食した中で印象に残ったのはファブリスジロットのフランボワーズのマカロン。
ブルゴーニュのフランボワーズをつかったクリームは、とても華やかで濃厚な味わいでした。

試食出来なかったけど気になったのはエルメの新作ボンボンショコラで、オリーブを入れたキューブ状のもの。

マ・パティスリーでは、明日からデパート初出店のカー・ヴァンソンと滋賀の名店ドゥブルベ・ボレロが登場します!
ボレロの渡邊シェフが準備でいらしていたので、少しお話が出来ました。
販売予定のショコラのマカロンの製法についてやショコラについてなど。
いろいろとこだわりのあるシェフなので、私自身なるほどと思うことが多いです。

そのマカロンですが3種類のショコラのマカロンが登場します。
とても香りがよく濃厚で、美味しいマカロン。
1つ210円とコストパフォーマンスはとってもいいので、是非ショコラ好きの方は食べてみてくださいね。

マカロンに使っている、ショコラはプラリュのものとドモーリをつかったものとあります。

それから看板商品のチーズケーキアイアシェッケや季節の焼き菓子マロンパイも登場します。

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その他連絡です。

ビストロレッスン

改めて個別にご連絡しますがトロワキャールのビストロレッスンに参加される方へお知らせ。
予め当日の食事のメインを選択してもらいます。今のうちからどれにするか考えておいてくださいね。

選択肢はこちら!

・鮮魚と帆立貝柱のポワレ ブイヤベース仕立て

・国産豚肩ロース肉の燻製炭火焼き 白インゲン豆の煮込み添え
シェリービネガーのソース

・フランス シャラン産 鴨もも肉のコンフィ
ジャガイモとキノコのロースト添え

・フランス産 鴨胸肉の燻製ロースト リンゴのキャラメリゼ
マデラ酒とクルミのソース

・国産牛ほほ肉の赤ワイン煮込み 
じゃが芋のピュレとほうれん草の蒸し煮添え

・シェフおまかせの肉料理(当日までのお楽しみ)


■ニフティスイーツ部 
秋のリベルターブルのランチについて写真とともに料理とデセールの紹介をしています。

※来月リベルターブルイベントについてのご案内は10/11(火)の20:00にお知らせしますのでどうぞよろしくお願いします。

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GILGとアルザスの発酵菓子streussel

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しばらくロレーヌ地方のレポートが続きましたが、もうそろそろアルザスのお菓子も紹介していきたいと思います。
まずは、ColmarのGILG(ギルグ)。

アルザスのチーズで有名なマンステールに本店があり、現在ではコルマールとリボーヴィレにもお店があります。
昨年は、東京国際フォーラムで開催されたマルシェ・ド・ノエルでも出店してパンデピスを販売していましたね。

とてもモダンで洗練された雰囲気のパティスリーで、ルレ・デセール会員でもあります。

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こちらのお店は生菓子、焼き菓子、ショコラ、トゥレトゥールなどたくさんのお菓子がありますが、ヴィエノワズリーも豊富。クグロフはもちろん、ちょっと珍しくラングロフも見かけます。

ラングロフはクグロフの生地とだいたい同じようなものですが、ちょっと面白い芋虫みたいな形の陶器の型で焼きます。
千歳烏山のパティスリー「ラヴィエイユフランス」では陶器の型をディスプレイしていますね。

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生菓子はわりとヴェリーヌ系が多いです。
日本ノお菓子と同じくらいのサイズで、華やかなものが多いですね。
とても丁寧に美しく仕上げられています。

私はやっぱりフルーツ焼き込みタルトを選んでしまいます。
今年はクエッチのタルト!

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そして、驚いたのが、これ保冷バッグ!
フランスで保冷バッグが売られるようになるとは…。

しかも、エルメスのバーキンを意識している!?
とても可愛くておしゃれでしたが、やや造りが甘く(生地が薄くて取手がすぐに壊れそうだった)改善の余地ありだったので今回は購入しなかったけど、一緒に行った何人かの方は買っていたので使っているかしら。

実は同じものがフレッソンのお店にもあったので、お店のオリジナルではないみたいですね。

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そして発酵菓子。
まだGILGのクグロフは食べたことがなかったので、ミニクグロフとstreusselを購入。
streusselはシュトゥルーセルみたいな発音でしたが、いわゆる「シュトロイゼル」(クランブル)のことを表しているのかと思います。

これはブリオッシュのようなパン生地にシナモン風味のシュトロイゼルを全体にまぶした発酵菓子です。
あまり日本では知られていないというか、あまりにも普通に有りそうなパンなので認知されていないと思いますがアルザスのスペシャリテです。
おそらくドイツにも似たようなパンがあるのでしょうが。

そのstreusselは他のパエィスリーでも見かけましたs.

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こちらはジーグレーのもの。


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こちらは昨年ノエルの時期に見かけたキュブレーのもの。
これはキッシュ型でやいているのかな?一見タルトのようなお菓子に見えたのですがパンでした。
大きなサイズもあるし、小さなサイズもありました。

こうやって、アルザスにはまだ知らない地方菓子(これは地方パンというのかな?)があることに気づき、新たな発見できたのは、とても嬉しい収穫でした。

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ナンシーのブーランジェリー Maison Gwizdak

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ロレーヌ地方のナンシーのブーランジェリーの紹介です。
ここは、旅にいくまで全く知らなかったお店なのですが私たちが宿泊していたホテルからわりと近い場所にあったブーランジェリー。

外観はいたって普通のブーランジェリーですが、その窓越しに見えるお菓子やパンの数々に私たちの目は釘付け!
またもや窓に張り付いてしまいそうな衝動が。。と思ったときにはすでに張り付いているのですが(笑)

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窓側にはお菓子が並んでいますが、特に目立ったのが十字をデザインしたこちらの焼き菓子。
この十字ちょっと変わっていますよね。
私は初めて見たのですが、この十字架はロレーヌ地方の十字架なんですって。

フランスでは土地特有の十字架があるそうで、そういえばバスクの十字架やブルターニュの十字架もあったなと改めて思い出したり。

ロレーヌの十字架は横の線が2本。上の線の方がやや短めです。
この後も、この十字架見かけることが何度かありました。
何も知らないで旅行するのと、何かを知ってからその風景を見るとまた違った感じを抱きますね。

話は戻って、このお菓子Gateau Lonnamといいます。ガトー・ロナム?読み方はちょっと不明ですが、とても美味しそう。

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ブーランジェリーですが、お菓子もこんなにたくさん!
今月号の料理通信にもありましたが、クラシックなお菓子を食べたければブーランジェリーに行くのがおすすめ。
エクレアやフラン、ミルフィーユなど、昔からのおやつ的お菓子がたくさん揃っています。

パティスリーではいろいろとアレンジする事が多いのに比べ、ブーランジェリーでは伝統的な製法や形をそのままにしているお店が多いように感じます。


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もちろんブーランジェリーですから、パンも種類豊富。
バターリッチなヴィエノワズリーやブリオッシュ、そしてシンプルな食事パン、雑穀系のパンなどがあります。
そうそうお隣りアルザスでは定番のクグロフもありました。


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パンとお菓子の中間のような南仏のお菓子「ガレット・トロペジェンヌ」もありましたよ!
ブリオッシュ生地にクレーム・ムースリーヌをサンドしたお菓子です。
なんて美味しそう~。
この素朴感がブーランジェリーらしさがあっていいですね。

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せっかくなのでGateau Lonnamを1台、皆で切り分けて食べました。
味はパン・ド・ジェンヌのようなアーモンドのコクを感じるものでした。
コクがあるけど重すぎず、とても美味しかった!


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そして焼いて間もない、まだ温かいフランスパン。
粉の風味が活きていて美味しい。

朝ごはん食べた直後だったのに、ついついつまんじゃいますね。

こちらのブーランジェリー夕方にも訪れてみたのですが、商品は殆ど売り切れていました。
やはり地元のお客さんで人気のお店のよう。
皆美味しい物をちゃんと知っているのですね。
(朝も常にお客さんがいらっしゃって並んでいました)

とてもいいお店なので、ナンシーに行く予定の方は是非チェックしてみて下さいね。

Maison Gwizdak
19rueRaugraff 54000 Nancy

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Nancy でキッシュ・ロレーヌとデモンストレーション

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ロレーヌ地方ではナンシーに宿泊しました。
その日のランチのお店は決めていなかったのですが、せっかくロレーヌ地方にきたのだからということでキッシュ・ロレーヌのサロンにいきました。

スタニスラス広場の直ぐ側にある小さなサロン「Les Tartes de Stanislas」です。

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お店にはキッシュが数種類。
ベーシックなものからお野菜系、魚介系など。

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私たちはキッシュ3種とサラダのセットメニューをいただきました。
定番キッシュ・ロレーヌにトマトのキッシュ、お野菜のキッシュです。

もちろん白ワインも。
フランスだとランチからワインを飲んじゃいます。

もぐもぐ食べていたら、添乗員の藤本さんが「この土台の生地なんだろうね」と聞いてきたので私は「多分ブリぜ生地じゃないかな」と返事。

その時は、それで終わったのですが、その後藤本さんがお店のムッシュかマダムに生地のことを聞いたのかな?
急遽、お店のマダムが生地の仕込みを教えてくれる事になりました!

え?え?とビックリしながらお店の奥に皆で入り(食事は外でしていたので)、テーブルを囲んでデモンストレーションの見学が始まりました。

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作り方は、まあ豪快~。
粉の中にマーガリンの塊をドバっと入れて、手でこねます。
卵か水などの水分も入ったかと思います。

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生地ができたら、休ませることなく一気に延ばしていきます。
このスピードが早いこと早いこと!

フェルベールさんを思い出すような職人技でした。

毎日の仕事なので、もう手が覚えているんですよね。

最近の職人はパイローラーで生地を伸ばしているので、多分こちらのマダムの方が手延しは早くて正確かも。とさえ思いました。

あっという間に終了したデモンストレーションでしたが、ああこれが家庭の料理なのかな(サロンではあるのですが。)と思える点が幾つかあって料理の原型を見た思いでした。


こうやって、ツアーでの旅行はいろんな人との出会いや思いもしなかった出来事があります。
見ず知らずの日本人の旅行客にこうやって親切にしていただいて有り難い限りです。
こういうことは、また私たちがどこかの誰かにリレーしていけたらいいなと思います。

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ナンシーのパティスリー Thiebaut

今回の旅では、フェルベールさんとフレッソンさんにデモを予め依頼していました。
でも、それプラス旅ってすごい。フランス人っていいな!と思う出来事が幾つかありました。

それが、今回初回するロレーヌ地方のナンシーのパティスリーThiebaut(ティエボー)さんです。
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Thiebautはナンシーのスタニスラス広場からも徒歩圏内のルレ・デセールのパティスリーです。
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それほど大きなパティスリーではありませんが、さすがフランス。
この空間に生菓子、焼き菓子、ショコラ、ヴィエノワズリー、トゥレトゥール、グラス(アイス)、コンフィズリーと多種多様なお菓子が揃っています。そういえばフェルベールさんのコンフィチュールも置いていましたね。


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プティガトーは小さめのサイズ。日本のものと同じくらいでしょうか。
侍のようなルリジューズが面白い。
古典的なお菓子と共に、新しいスタイルのお菓子が整然と並んでいます。


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アントルメや、発酵菓子のクーロンヌもあります。
リヨンの名物赤いプラリネを使ったブリオッシュもありました。

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お店にはサロンがあるので、ここで皆好きなお菓子を食べました。
イートインなのに焼き菓子を選んだのは、私です。。

このあとフレッソンでデモを予定していたのですが、そこで習うお菓子と似たものがあったので予習を兼ねていただきました。きっとルレ・デセール会員同士だからルセットも共有しているのでしょう。

こちらのパウンドはフレッソンのものよりやや大きめ。とても美味しくて選んで良かったです。

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こちらはロレーヌ特産のフルーツ「ミラベル」のアイス。
初々しい酸味がとても美味しかった!ロレーヌならではのアイテムですね。

写真以外にも皆でわいわい食べていたら、ティエボーさんが厨房からなにやら持ってきました。


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なんと即興で、マカロンの絞りのデモンストレーションをしてくれました!
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たぶん、皆があまりにもお菓子に熱心なので、その気持ちに答えてくれたのでしょう。
マーブルのマカロンの絞り方を教えてくれました。
それぞれの生地を入れた絞り袋を更に大きな絞り袋に入れて、2つの生地が混ざらないようにして絞って行きます。


こうやってこちらが言葉は分からずとも、私たちのお菓子好きな気持が伝わったときにはとても嬉しいし、それに応えてくれることに感謝の気持ちでいっぱいです。

ティエボーさんはこの他にショコラプラリネやサレ系のパイの試食も出してくれて、その上「まだ食べたいものはないかい?」と聞いてくれるほど!有り難い限りです。

実はこういうことが、他のところでもあり、急遽デモンストレーションを見せて頂く機会がありました。
そちらもまた今度紹介したいと思います。


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フェルベールさんのコンフィチュールレッスンとおやつ

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前回紹介したタルトを焼いている間に、コンフィチュールのデモンストレーションです。
タルトでも使用したミルティーユを使います。
つやつやでフレッシュ感がありますね。

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コンフィチュールづくりには2通りあって、砂糖を入れてすぐ炊く方法と、砂糖をまぶして一晩おき水分を出してから炊く方法があります。

ミルティーユの場合は前者で、砂糖を加えてすぐに炊き始めます。
フェルベールさんは、コンフィチュールづくりは自分で全てをするそうです。
フランスの各地だけではなく、日本でも販売されているコンフィチュール全てを彼女が作っているとは…!

やはりその時々の状態の見分け方は経験が必要でしょうし、他の人にはこれだけは任せられないということでしょうか。

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炊きあがり、瓶に入れていきます。
コンフィチュールの温度は熱すぎるくらい熱いのですが、それを素手で瓶をもって入れていくフェルベールさんの凄さ、日々鍛錬された職人の手には毎回驚きます。

隣では若い日本人の女の子の研修生が蓋を閉じるお手伝い。

とても若くて可愛らしい子ですが、この小さな村にフェルベールさんのお菓子を学ぶべく飛び込んだのかと思うと、じ~んとくるものがありました。「耳を澄ませば」にでてくるバイオリン作りを目指す男の子を思い出すようなピュアで熱い感じがあったのです。

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今回デモの最中に、いろいろとお菓子をいただきました。
まずはフレジェ。
デモの前に提供していただき「すぐ食べて」ということなので、ちょっと焦りながら食べましたが苺のフレッシュ感、クリームの軽やかさ、アーモンドの香ばしさなど、美味しさが重なりあっています。


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途中でエクレアの登場。
ヴァニーユとショコラの二種類を1/4カットずつくらいいただきました。

エクレール・ヴァニーユはアルザスならではのお菓子。
カスタードクリーム入りでフォンダンをかけたエクレアです。
なぜアルザスならではなのかはわかりませんが、たいていのパティスリーでは定番のカフェとショコラと並び、バニーユが並んでいます。

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そしてマカロンも!
こんなにおやついただいていいのかな?と思いながら、美味しいうちに食べなくてはとデモを見ながらメモをしつつもぐもぐいただきます。

表面がツルッと輝く、マカロン・パリジャンです。

たくさんのお菓子たちをどうもごちそうさまでした!

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デモンストレーションを終えると、お店で記念撮影をしてバスでコルマールへむかいます。
バスの中からはアルザスのぶどう畑が遠くまで見えます。そしてオレンジ色の屋根をした小さな家たち。

とても穏やかでとても素敵な景色です。

アルザスのワインはこのぶどうたちからできているんだなぁとしみじみ感じました。
この光景が脳裏に焼き付いたからか、この日の夜はいつもよりたくさんアルザスワインを堪能してしまいました。。

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Franck Fresson Metz

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さて、お待たせしました。
Franck FressonのMetz店です。

こちらもごくごくシンプルな外観。
遠くからだとパティスリーだと気づきにくいかもしれません。

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それでも、店内に入るとやっぱりすごいの一言。
美しく華やかなケーキがズラッと並びます。

フランス特有の平台のショーケース。
日本のように、ショーケースでぐるっと覆われていなくて、上面は空いているので、日本よりもよりお菓子が近くにそして臨場感を味わうことができるのです。それが多分「食べたい!」という欲求につながるのでしょうね。

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ロレーヌ地方はアルザスのお隣りということもあって、しばしばクグロフを見かけることがあります。
他のお店でロレーヌのクグロフを食べましたが、アルザスのものとほぼ同じのようでした。
フレッソンのも今思えば、食べたかったな~。

手前にはスリムなケークが並んでいます。
寺井さんの型で作ったものですね。これが数種類あってショコラやフランボワーズやオレンジなどなど。
フレッシュフルーツを飾ったものもありました。


クリアーケースに入っているので、お土産に良さそうです。

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そして、今回の旅で初めて知ったのですが、ロレーヌ地方のスペシャリテのお惣菜があります。
Tourte LorraineとPâté Lorrainです。

どちらもフィユタージュにお肉などのお料理系が入ったミートパイのようなもの。
いろんなパティスリーで見かけました。

これは一度食べておかなくては!

この後2階のサロン(結構広いです)で皆でランチを兼ねてケーキタイム。

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2階に上がり、皆で席に着くとなんとマカロンの差し入れが!
その時は美味しく頂いたのですがやや興奮していたので、あまり味の記憶がないのがもったいない…。

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ロレーヌ最初で最後のTourte Lorraine。
丸いミートパイです。

温めて提供してくれたので、お肉のジューシー感とフィユタージュのハラっと軽やかな感じが美味しい。


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こちらは向かいに座ったKさんのお野菜と鶏肉のテリーヌ。
とてもさっぱりしていて、夏にぴったりの味。


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欲張りな私はケーキも2つ(皆大体1つだったんだけど。)選びました。
柑橘系のタルトといちじくのタルト。
どちらもフルーツ系のタルトで、私の好みがバレバレですね…。

柑橘のタルトはオレンジとグレープフルーツの果実に、柚子のクレームダマンド、甘夏のジュレを使っていて、日本を意識したものでした。とてもさっぱりジューシーな味わい。

いちじくタルトはフレッシュのいちじくにマスカルポーネのクリーム(メープル風味)。
ほどよく濃厚で食べ応えがあります。

みんなのケーキもまわしながら一口ずつ頂いたり、とわいわい楽しく頂きました。

大勢で行ったのにも関わらず、快く接客していただいたスタッフの皆さんにも感謝です。
本当にいいお店なのでまた是非行きたいな!と思っています。

パリからTGVで数時間だな~。
でも行く価値が大いにある素敵なパティスリーでした。

フレッソンさん、日本語も結構勉強しているのか、デモが終わって別れ際に「また来年~」と挨拶してくれました。
次回はサロン・デュ・ショコラでお会いできるかな。


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アルザス・ロレーヌ・パリ土産

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今日は青山のリベルターブルで、デセール会。
お教室のメンバーを中心に総勢25人で貸し切りランチです。

昨年リベルターブルを初めて訪れて以来、毎回いろんな刺激を貰っている私ですが、同じお菓子好きなお教室の生徒さんにも是非味わってもらいたい!と思い今回森田シェフに相談しながら「フランスの地方」を意識したコースメニューを作っていただきました。

その様子はまた後ほどご紹介しますね。

まず今日の会で、皆さんにさし上げたお土産の詳細です。

まずはHansiの絵葉書。
アルザス出身の画家Hansi(アンジ)は、アルザスの民族性を感じるイラストをいくつも残しています。
戦争の話を綴った書籍などもあります。

多くは子供をモチーフにしたイラストですが、今回は2種類を用意しました。
可愛いアルザシエンヌ(写真のもの)と、もう一枚は男の子と女の子がお菓子をつくっているもの。


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そしてアルザスのストラスブールのパティスリー「Thierry Mulhaupt テュエリー・ミュロップ」のパン・デピス。
今回、クラシック(プレーン)、オレンジ・シナモン、ジャンジャンブル(生姜)の3種類を購入しましたので、どれか1つがはいっています。
ミュロップさんのものはパン・デピスの部類の中ではしっとり感もあり比較的食べやすい方だと思います。


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そして、ロレーヌ地方からはミラベルのパート・ド・フリュイ。 La maison de la mirabelleでは、ミラベルについての案内やミラベルの加工品を販売しています。

ミラベルは黄色くて小さなフルーツです。旬が短いためなかなか美味しい時期に出会うことが難しいです。
私たちが行った時もまだ収穫前でした。8月末辺りになるのかな。

でも、旬の美味しいミラベルを使った製品がいろいろと揃っていて私はそのものの味がストレートに出るであろうパート・ド・フリュイを購入しました。

これは、100gのパート・ド・フリュイ中にミラベルの果実を56g使用しているというものでなかなか味が濃くそして桃のような華やかな香りもあり美味しかったです。


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そして、パリに行くともうココはマストでしょうというお店が「 Jacques Genin ジャック・ジュナン」。

以前から私がキャラメルが美味しいよっ!と力説していたので、今回ツアーに参加したGさんはジャック・ジュナンを「キャラメル屋さん」と呼んでいましたね~。

キャラメルは数種類ありますが、私が特に好きなのはナチュールとマンゴーパッション。
今回は夏ということでマンゴーパッションにしました。
甘酸っぱく濃厚な風味が美味しいです。
今の時期常温だとすこし柔らかくなりすぎるので軽く冷やしてから食べるといいかなと思います。

今日ご参加いただいた皆さんどうもありがとうございました!
森田シェフのデセールいかがでしたか?
また感想などお聞かせいただけると嬉しいです。

もし可能であればまた冬にでもこういうテーマのあるコースメニューを作っていただきたいなと思いますので、その際にはまたどうぞよろしくお願いします。

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St louis サン・ルイ Franck Fresson

ケークの次は、サン・ルイのデモです。
サン・ルイについては、今年のサロン・ド・ショコラTokyoのオフィシャルムック本でもかるく紹介されていました。
その時の写真は、すこし鮮明ではなかったのですが、ちょっと前に料理通信でレシピが紹介されていましたね。

昔から作られていたお菓子ですが、戦争中にレシピが亡くなってしまい、おじいさんの記憶を元に新たにレシピを起こし現在までそのレシピを変えずにつくり続けているというお菓子です。

以前はロレーヌの地方のNancyの協会St epvre近くのパティスリーが創りだしたお菓子で、その周辺に広まったそうです。そこのお店では聖人St epvreの名がつけられていますが、フレッソンではより一般的に知られているフランスの守護聖人St louis サン・ルイの名前をつけたそうです。

そういえば、此処に来る前ナンシーで似たようなお菓子を見たなということを思い出しました。
そしてナンシーの本屋で購入したロレーヌ地方のお菓子の本にもSt epvreが大きく紹介されていました。


このお菓子構成はいたってシンプル。
簡単にいうとダックワーズ生地にバタークリームをサンドしたものです。

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まずはメレンゲを立てます。

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そこにアーモンドと砂糖、粉をベースにした生地をあわせます。

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生地を円状に絞り、粉糖をかけて焼きます。

フレッソン氏がいくつか絞り、その後私たち希望者にもいくつか絞らせてもらいました。
私も絞らせてもらいました。とくになんということのない絞りなのですが、やっぱり人前で絞るのは緊張しますね・・


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そしてバタークリーム(ヌガチン入り)をぐるっと1周しぼります。
中央まで絞ると味がくどくなるお言うことで周りに1周のみ。


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同じ生地でサンドして完成。

とってもシンプルなお菓子ですが、良質な素材を使っているので美味しさへの期待は高まります。

デモを終えて、お土産にケークとサンルイをいただきました。
さすがにこのサン・ルイは日本には持ち帰れないので、早速バスの中でひとかじり。

アーモンドの香ばしさとバターの爽やかな(発酵の)香りがします。

ただ一日おいたほうが美味しかったです。2ついただいて1つは翌日パリのホテルで食べました。
少し時間を置くことで生地の弾力が程良くほどけてきて、サクふわっとした食感に。

うわ。美味しい。と一人でしみじみ味わいました。
こういうシンプルなお菓子にこそ、素材や技術がぎゅっとこめられますね。


フレッソンレポートもう少し続きます。
デモの後はMetzのパティスリーに向かいます。

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今年、一緒に旅行した静岡のメンバーSさんが今回のツアーの様子や感想をブログにアップしてます。
私が時差ぼけと暑さでぼんやりしている間に、彼女はしっかりとブログを書き上げていてビックリです。
旅の見所や感じ方は人によって様々なので、違う方の視点を見ることはとても楽しいです。

できたて!フレンチスイーツ


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