本日は平岩さん主催のイベントに参加してきました。
埼玉県の浦和ロイヤルパインズホテルペストリーショップ「ラ・モーラ」にて、アントルメグラッセの会が開催されました。

左からシェフの朝田さん。
この夏にホテルを退職し、独立を予定しています。
中央が新たにスーシェフになられる高山さん。
右が朝田シェフのあとを継ぐ、柴山さん。
本日は3人のパティシエそれぞれのお菓子をいただきました。

まずは高山さんの一皿。
左からりんごのパイ。シードルのジュレ、シナモンのアイス。
焼き物が好きだという高山さんならではの構成です。
かりっとややハードなパイ生地の中にはミントの紅茶で香りをふわりとつけたりんごとブルーベリージャム。
表面がちょっと変わった感じだなと思い伺ったら、コンヴェルサシオン風にしているとか。
コンヴェルサシオンは作ったことがないけど、確かグラスを表面に塗ってから焼くんですよね。
りんごつながりで中央はシードルのジュレ。
柔らかめです。
右はりんごと相性のよいシナモンのアイス。
見た目は白いですが、しっかりシナモンの風味がきいています。
アイスとジュレ、アイスとパイなど組み合わせて食べるのがシェフおすすめの食べ方。
やっぱりあたたかいパイにアイスを添えて食べるのが王道ですね。

こちらは柴山さんのお菓子。
まだ試作段階ということで商品化はしていないそうです。
桃を使ったドーム状のムース。
かなり柔らかめのムースは繊細で上品な風味。
土台はシナモン風味のクランブル。その上には苺とライムを使ったジャム?を薄く塗っています。
まだ試作段階ということで、参加者の皆さん感想や意見を柴山さんに伝えたり。
たまたま同席させていただいたプレジールの捧シェフ、コワンヴェールの上霜シェフも、ご自分ならではの意見を伝えていました。
お菓子づくりって正解はないですが、きっと菓子職人は皆「もし自分だったらこんな風に作る」というこことを、それぞれが持っています。
その意見を間近に聞けたのはとても貴重な経験でした。
今回の桃のムース、きっと今日のイベントを反映して更にブラッシュアップされショーケースに並ぶのでしょうね。
どんなふうに変化するのかも楽しみです。

最後は朝田シェフのアントルメグラッセ。
こちらは朝田シェフが2001年に出場したクープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリーで作った「アンジェリック」。
周りのグラスはフランスの多種花蜜。
僅かにスパイスをきかせて(丁字、八角、シナモン)かなり絶妙な味。
蜂蜜の風味が非常に濃厚でハーブのような香りもします。
中にはアーモンドのヌガチンを細かく砕いたものがはいっています。
あとで気づきましたが、はちみつとスパイスの組み合わせといえばパンデピス!
もちろん食べて、パンデピスを思い出すというほどスパイスはきいていないのですがやっぱり香りを楽しめる組み合わせです。
中央のソルベはバナナ、パッション、マンゴーのトロピカルフルーツ。
トロピカルな風味と周りの蜂蜜のグラスと一緒に食べると更にフルーティーでエキゾチック。
土台は香ばしくやいたココナツのメレンゲ。
ざくっとした食感です。
味はもちろんですが香りを楽しめる一皿でした。
独立に向けてのお話も少しですが伺えました。
お店は武蔵浦和駅から700mほどの所に構えるそうです。
コンセプトが「駄菓子屋のような洋菓子屋」ということで、地元のお客さんに愛されるお店を目指しています。
シェフ曰く、業者さんに「カッコよくはつくらないでくれ!」とお願いしているそうですよ。
そんな親しみやすいお店をめざしているところがシェフらしいところです。
それに加え、仕事を楽しく。といことも同じくらい大切にしていて、効率よく働きやすい厨房作りに力を入れているそうです。
パティシエの仕事といえば一日15時間労働くらいは当たり前ですからね。。
そんな重労働の中で、仕事に集中できる環境づくりというのは非常に大切です。
何より朝田シェフの周りの人を引きつける力と、何があっても動じない強い精神力があるので、間違えなく朝田シェフの独立は成功するんだろうなと感じました。
9月にオープン予定ということですので、また詳細がわかったらブログで紹介したいと思います。
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余談ですが、コワンヴェールでは、月替わりで地方菓子・伝統菓子をだされているよう。
HPを確認したら今月はコンヴェルサシヨン。端正な姿ですね。
プレジールでも近々地方菓子をだされるとか。
地方菓子、伝統菓子はいつの時代にも色褪せない魅力と奥深さがあります。
フランス菓子の原点がそこにあるような気がして、私もそこにどっぷり使っているのだろうな。
基本的にシンプルな構成のお菓子が多いのですが、作り手の個性が出やすいお菓子でもあるので今後コワンヴェールとプレジールのお菓子も注目してくださいね!
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