世界パティスリー2009 日本チームの作品紹介
世界パティスリー2009全体のレポートは今月中にSweet Cafe内でまとめる予定ですが、まずは速報としてブログでいろいろと紹介していきたいと思います。
プレス席から作業ブースまでの距離は数メートルあるので、私のデジカメではあまりはっきり撮影できなかったものも多いのですが、ショコラやプティガトー、アントルメなどは展示用のショーケースで一般公開されたのでそちらで撮影したものを紹介します。
まずは見事優勝した日本チームの紹介です。
日本代表は、左から帝国ホテルの秋城俊徳さん、レコール・ヴァンタンの鍋田幸宏さん、エーデルワイスの野田朋宏さん。
■皿盛りデザート
いい写真がなかったのですが、一番わかりやすいのがこのモニターに映っているものでした。
お皿にはイエローとグリーンの淡い模様
白いアイスは確認できましたが、もう1品も白く見えます。
全体が白っぽくトーンが低いので、正直遠目にはどんなデザートなのかわかりませんでした。
ただ、デザートの規定で温かいものと冷たいものをあわせることというのがあったので、アイスともう1品はスフレのような温かい焼き菓子だったのでしょうか?
味覚点3位(335点)
■アントルメ
淡く春っぽいグリーンのムース。中央がないバームクーヘンのような形状で、中央に飴細工をディスプレイしています。翌日にわかったのですが、ベースはミントのムースだそうです。それにオレンジ色のジュレっぽいものを(オレンジかアプリコットなのか・・?)を合わせていました。
味覚点2位(355点)
※初日に審査対象だったデザートとアントルメは特に解説がなかったので見て味や素材を想像することに集中してしまい、おかげでお菓子を見ただけでどんな味かどんな素材かを想像(妄想かも)する力がついたような気がします・・・。大会2日目からすべての作品ではないもののある程度の紹介がありましたのでそれを参考に紹介しますね。
■ボンボンショコラ 2種類
ボンボンショコラは型抜きと上掛けタイプ1種ずつという規定があります。
<型抜き> フランボワーズぺパン(ラズベリー種入り)のジャムとフランボワーズのガナッシュを使用
<上掛け> ごまのヌガーと生姜のガナッシュを使用
味覚点2位(705点)
■ガトー・ド・ボワイヤージュ(焼き菓子)
焼き菓子好きの私としても大いに興味深い部門です。焼きがしながらやはりコンテストらしく構造や形が凝ったものが多かったです。それからパッケージについても審査があるところが面白いですね。
ラッピングは桜の花をつけて日本らしさ、春らしさを出したのでしょうか。
作品は葉のような形のケークのような生地。
最初見た時は結構ブラウン系でシックなので香辛料が主役かな?とも思いましたが、説明によるとバナナとチョコ、シナモン、オレンジを使用とのこと。
味覚点1位(345点)※アメリカも同点で1位
■プティガトー(3種類)
プティ・ガトーとは小さなお菓子という意味。通常ケーキやさんで売っている小さなケーキがプティ・ガトーといわれるものです。この部門では種類の異なる3種類のプティガトーを作ります。
その3種類とは「チョコをつかったもの」、「生地をつかったもの」、「グラスを使ったもの」。という規定があります。グラスは規定のサイズの細長いものを使用。
3種類を長方形のプレートに並べ、審査員には左から食べてもらうように並べています。
(基本的に味わいの淡いものから食べてもらい、最後濃厚な味わいのものを食べてもらうような流れにするのが一般的)
日本チームはグラスのトップに苺がみえますよね。でもこれ本物の苺ではないんです!今回のコンテストで一番驚いたポイントで、これはパティスリー業界でもこれから注目される技法では?と思います。
これは苺を模した薄い飴の中に苺のソースを入れているもので、スプーンでコンコンと叩くと、飴が割れて中からソースが出てくる仕掛け。
これは面白いですよね。この技法はグラスならではの醍醐味だと思います。
中央は土台はリンゴのソテーいりのタルト、上はパッションとバナナのムース。ホワイトチョコの飾りです。
これは、構成を聞くだけでかなり好みです。一度食べてみたい!
右はチョコを使ったムース。(特に説明なし)
味覚点2位(1110点)
■アメ細工ピエスモンテ(左)
■チョコレートピエスモンテ(右)
左がアメ細工のピエスモンテ。これは基本的に砂糖だけを使って作る細工菓子。
流しアメ、引きアメ、吹きアメと、アメを各パーツによって使い分けて作ります。
また、砂糖、卵白、ゼラチンをつかってパスティヤージュといわれるものも使用可能です。
日本チームの飴細工はグリーンの土台に鮮やかなオレンジとイエローを使用した大輪の花がダイナミックに咲き誇っています。この引きアメの輝きは、他の作品のどれよりも美しいものでした。
土台したのパスティヤージュ(ベージュっぽい色でぽこぽこ穴があいているパーツ)は何をイメージしたのか?予想できなかったので、今度お聞きしたいところ。
右がチョコ細工。こちらは名の通りチョコ(クーヴェルチュールのみ)だけを使用したものです。日本チームのチョコ細工は色合い、デザイン、構成、大胆さすべてにおいて素晴らしかったです。
アメ、チョコ細工ピエスともに150×60×40以内のサイズで作ることが規定です。
規定を満たしながら、いかに躍動感やダイナミックさ、繊細さ、流動性、芸術性などを出すのがポイントでしょうか。
ピエスモンテの点数発表はありませんでしたが、どちらのピエスモンテも日本の作品が部門賞を受賞しました。
(実物は本当に美しいのですが、なかなかきれいに撮影できずスイマセン!)
■作業審査点
各作品の審査点に加え、いかに美しく無駄のない仕事をしたか?(ごみ箱までチェックされるらしいですよ。無駄な食材を出していないか?など)を評価したもの
1位(2580点)を獲得
■総合審査点について
総合審査点の公開はなかったので、日本と2位のフランスどのくらいの差があったのかわかりませんでしたが、フランスも素晴らしい作品をつくりあげていました。
作品全体の統一感としては日本に劣っていないと個人的には思いましたが、ダイナミックさやそれぞれの細かいパーツの作りではやはり日本のピエスモンテはレベルが高いと思いました。(ピエスモンテを作ったことがないので、あくまで素人目ですが・・)。
フランスは洗練されつつファンタジーな雰囲気漂うピエスモンテでとても素敵でした!
そのフランス作品紹介は、次回のレポートに続きます。
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