
ショコラウィーク真っ最中です。今日はイルサンジェー氏のセミナーに参加してきました。
イルサンジェー氏はショコラテイィエのM.O.F.(フランス国家最高職人)の一人です。(フランスでショコラのM.O.F.を持つのは、ファブリス・ジロット氏、そしてジロットのスーシェフも昨年末めでたくM.O.F.を獲得したとのこと!それからパトリック・ロジェ氏)というわけで、今回のサロン・デュ・ショコラにはショコラティエのM.O.F.が3人も来日しているんですね。これは冷静に考えればすごい事ですね!
イルサンジェー氏は、代々続く菓子屋の4代目。曾祖父はアルザス地方出身でフェルベールさんのお店にほど近い場所で創業し、その後アルザスとドイツの戦争後現在のジェラ地方に移ったということです。
アルザスはフランスとドイツの国境付近にあるので、何度も領土を巡って戦いがあったとは聞いていましたが、こういう経緯で現在のイルサンジェー氏のお店があるんだなぁ…。と歴史を感じました。
現在のお店がある建物は400年もの歴史があるそうです。イルサンジェー家が移る以前からパティスリーとして使われていたそうです。その関係もあり昔の製菓器具が豊富にあるので、現在は地下をミュージアムとして製菓器具のを展示しているそう!
※これはテオブロマの土屋シェフの著書「ショコラを巡る旅」に写真付きで紹介されています。
ジュラ地方ってあまり聞かない地名ですが、フランスの中でもスイスとの国境付近にある地方です。(地図はこちらを参照)ここはワインの名産地ということもあり、今回のセミナーではジュラ地方のワイン「ヴァンジョンヌ」とショコラのマリアージュを提案して下さいました。

このヴァンジョンヌというワインは、通常のワインと製法が異なります。
通常はワインを樽の中で熟成させていくと、蒸発し段々量が減っていきます。その際ワインが空気に触れると酸化が進見ます。それを防ぐために、ワインをつぎたして空気に触れないようにしていきます。
それに対しヴァンジョンヌは継ぎ足すこと(補酒)を行いません。このワインは熟成させていく段階で表面に酵母の膜が張るそうです。この膜が酸化を防ぐため捕酒の必要がないのです。熟成は6年間かけて行うのですが、この間にワインの30%は蒸発するとのことです!
だからでしょうか、とても味が濃く力強い香りがします。
アルコール度数は13.5度とのことでそんなに高いと言うわけではないのですが、とてもインパクトのある味わいです。
今回頂いた資料には、香りのところに、ドライフルーツ、ビスキュイ、乳香、ベジタブル、エピス。と記載されています。シェフはカレーの香りがするともおっしゃっていました。
まだまだ私はお酒やショコラに対する味覚が発達していないのでこんなに具体的にこういう香り、と表現できないのですが、辛口の中にフルーティーな香りや凝縮された旨味を感じました。

このヴァンジョヌに合わせて作ったという3種類のショコラを頂きました。
左から中身を紹介すると
・パートダマンド サフラン風味
・パートダマンド くるみ入り カレー風味
・ガナッシュ グリーンペッパー入り
どれも個性的で、それぞれの香りがしっかりと出ているボンボンです。
なサフランやカレーをショコラに合わせようという発想がすごいですね!でもこれが違和感なくすっとはいっていくんです。この辺りのバランス感覚がさすが!という感じ。
そしてもちろんこれらのボンボンはヴァンジョンヌと一緒に頂くと、お互いの味を引き立ててとてもおいしい!
ヴァンジョンヌおかわりしたくて、急いで飲んでみたんですがお代わりは頂けなくちょっぴり残念。(;^_^
イルサンジェー氏のブースでこのヴァンジョンヌも販売しています。
確か8,000円代でした。(いまユーロ高なので以前より高いみたいですね。)
今までイルサンジェー氏についてほとんど知らなかったのですが、今回セミナーに参加してほんの一部ですがお店の歴史やその地方のことについて知ることができとても良かったです!
やっぱりショコラだけでなくその作り手についても知ると、気持ちや味わい方が変わってきますよね。
そしてなかなか飲む機会のないヴァンジョンヌを頂けたのも良かった^^
多分日本のレストランにもおいてあるところがあるとのことですが、いいワインなのである程度高級なお店になるかも…。とのことでした。フレンチのお店で頂くと更にビックリ価格になるでしょうから、今回セミナーの場で味わえたのは嬉しいことです。
明日はアルザスのパティスリー「キュブレー」の浅見さんのセミナーに参加してきまっす。
在仏7年というベテランの浅見さん。でもまだ31歳とお若いんですよ!
いつかお店に伺ってみたいものです。
明日はどんなセミナーになるのか楽しみ。
はやく寝なきゃっ!
最近のコメント